プラス癌

がんの進行と転移

進行,転移

良性腫瘍は、見た目にわかりやすい腫れや痛みなどの自覚症状が早期に現れることが多いのですが、悪性腫瘍でみられる症状との違いはほとんどないといえるかもしれません。しかし、痛みや体重の減少などが見られる時期になると、かなり進行した状態や他の部位に転移しているケースも少なくありません。
また、通常「発がん」するまでにはかなりの時間がかかりますが、細胞が活発に活動している成長段階や若年で発がんするとその進行スピードもかなり早くなります。


がん・腫瘍の進行と成長

細胞の分裂と修復メカニズム

遺伝子異常が起こった細胞が増殖と修復・減数(可逆)を繰り返して数を増やし、1g程度の小さな小豆大の塊になると「発がん」となります。細胞自体にも新しく生まれ変わるサイクルがありますから、増殖した細胞がそのまま何十年も維持されているわけではありません。そのため、癌の種類や年齢・健康状態などにもよりますが、この「初期癌」と呼ばれる段階になるまで通常20〜30年かかります。
初期段階で治療されず進行を続けると数年で100億個前後の異常細胞の塊「進行がん」になります。進行癌になると治療後の再発の可能性も高く、転移しやすい状態となります。

進行速度はガンの種類によって違う

がんの進行度合いは、”ステージ”という呼ばれ方で分類されています。しかしその進行の仕方は発生した部位、つまり”がんの種類”によって大きく異なっています。そのため、ステージの他に進行しやすいガンであるかどうか、がんの悪性度を表す「グレード」分類と合わせて知っておく必要があります。
さらに進行度合いは、種類だけでなく年齢、生活環境、によっても違ってくるため、同じグレードやステージであっても同じ期間で進行していくとは限りません。

浸潤・転移

他の組織をむしばむ浸潤

浸潤や転移が起こるというのは、他の病気とがんの大きな違いです。浸潤はガン化した細胞が異常増殖を繰り返す事で周辺にある正常な組織や細胞を壊して広がっていく事です。
例えば、ある臓器の粘膜内で細胞がガンした場合、段々と周辺の細胞をおかしてしくと固有筋層・膜下層へと浸潤していきます。この浸潤度合いはステージと呼ばれる病期を表す分類とも大きく関連しています。浸潤度合いが進むと腫瘍の中心部分は堅いしこりとなります。さらに進行するとしこりは崩れて潰瘍となり、癌性出血が起こりやすくなります。

転移ルート

転移とは、何らかのルートを通って別の場所に運ばれ、初めにガンが発生した所とは別の部位や組織でがん細胞が増殖する事をいいます。リンパ管や血管を伝って広がるタイプは「血行性転移」と「リンパ行性転移」があります。
また、浸潤が進行し、筋層等を突き破って、異常細胞が他の臓器や組織の間に飛び散ってしまう事でも転移が起こります。これはガン細胞が種をばらまくように散らばる事から「播種性転移」と呼ばれます。同じ様に接触している臓器でガンが増殖するタイプもあり、これは「接触性転移」と呼ばれます。

転移しやすい場所

初めに発生したがん「原発巣」の場所やその種類によって、転移しやすい場所というものがある事がわかっています。
例えば乳房周辺にできる乳ガンでは、腋窩リンパ節や対側乳房、骨、肺、卵巣等の部位で転移が起こる可能性が高い事がわかっています。また、子宮癌では卵巣、腸、肺臓、腹膜、肝臓、骨に広がりやすい事がわかっています。
必ずその場所に転移する、とか、その場所以外には転移しない、というわけではありませんが、覚えておくと早期発見や再発防止に役立てる事が出来ます。